ササノコウ

酔いどれ酒匂ささの呟き 時々 活動記録
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# 週刊ササノコウ 第14回「こんな夢を見た。−続々墜ちる飛行機編−」

 視界のすみで、降り落ちてきた火の粉がちらちら光る。

 雪みたいな火の粉がほとほとと降れば、コンクリートには黒い焦げ痕。

 砕けた欠片が頭上に降れば、瞬く間に私も黒い痕のひとつになる。

 影の押し絵になりたくないなら、早く屋上の出口へと辿り着かなくては。

 それでも、両目は飛び込んでくる光景の全てを次々に焼き付ける。

 

 出口へ飛び込んだ。

 狭い階段を数歩で駆け下り、不思議なほど軽い体でフロアを走る。

 ガラスの外壁一枚隔てて、飛行機の残骸がバラバラと降り続ける光景。

 燃える欠片、煙を上げくすぶる欠片。

 音が聞こえない所為で酷く現実味に欠けて感じる。

 思い出したように録画したままでいたカメラをガラスの向こうへ向けた。

 レンズを一枚通せば、さらに現実味は薄れて見える。

 駆け抜ける廊下には、不思議なことに私以外誰もいなかった。

 この惨事に気づき、すでに皆逃げたのだろうか。

 それとも、未だ何も気づく事なくいるのであろうか。

 とにかくビルを出よう。

 私は嫌に長い廊下をひたすらに駆けながら、それだけを考えている。

 家に帰ろう。

 この地上から遥か離れた場所にいることにこれ以上耐えられそうにない。

 ここにいては、何が起きても外に飛び出ることすら出来ない。

 駆ける私の眼前に、ようやく一機のエレベーターが現れた。

                             <続>

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